KPTについては下記を参照されたい。
■オブラブ「プロジェクトファシリテーション」
■プロジェクトファシリテーション実践編:ふりかえりガイド
この方法を始めたのは、2010年6月とある後輩と一緒に仕事をすることになった事がきっかけである。
■ファースト・インプレッション
仕事に対する考え方や発想がとてもユニークで、先輩社員に受け入れてもらえず、自分の考えを発言しては叱られるという日々を過ごしていた後輩が居た。彼は、そんな悲しい生活を約1年送ってきたという。
諸般の事情で、彼と僕は一緒に仕事することになって、会話を交わし、意見を聞き、ドキュメントを査読するにつれて、「性格や思い切りは良いが、発想や着眼点がとても危険」であることが分かった。
「ベースは悪くない。ただ、発想や着眼点が頂けない。この部分を本人に気づかせ軌道修正すれば必ず有意な人物になれる」そう確信し、全力を持って彼を変身させ、周囲をアッと言わせることにした。
■フレームワーク
彼を変身させる第一歩として、なにをしようか考えたが、「自発的改善こそ最良」と考え、僕が愛用していたKPTを教えることにした。
道具というものは、その使い方を理解するまで真の力を十分発揮できないものである。そこで、何回か一緒にKPTを実施し、OJT的にKPTの使い方を覚えてもらうことにした。
通常、KPTはプロジェクト単位で複数人で実施するものとされているが、今回はマンツーマンで行うことにした。理由は、本人のプライバシーに直結すると感じたからである。
KPTを始める前に、次のルールを決めた。
1.出勤日、毎日KPTによる「ふりかえり」を実施する
2.ただし、出張や業務多忙時は、業務を優先すること
3.実施時間は30分/日とする
4.会議室の予約、実施時間の設定は、KPT受講側(=後輩)が行う
5.ホワイトボードに書いたKPTの内容を2部コピーし、1部を僕に渡し、
翌日開催時に必ず持参すること
6.とりあえず、1ヶ月続ける
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フレームワークを決めて、いざ開始。
KPTは人を急成長させるパワーを秘めたツールであることは間違いない。
しかし、使い方にはコツがあり、誰しも使いこなせる訳ではない。
先ずは「プロジェクトファシリテーション実践編:ふりかえりガイド」を熟読頂き、できる所から始めることが大切である。
5.ホワイトボードに書いたKPTの内容を2部コピーし、1部を僕に渡し、
翌日開催時に必ず持参すること
6.とりあえず、1ヶ月続ける
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6.番目のルールは特に根拠があった訳ではないが、それくらい実践しないと彼を変えることは難しいと感じていたからだ。
■KPTのルール
フレームワークを決めて、いざ開始。
KPTやふりかえりの詳細については先の資料を読んで頂くとして、僕がKPTを実施する際留意する点を書き出してみた。
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1.制限時間30分であることを確認する
↓
■注意事項
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1.制限時間30分であることを確認する
2.心理的圧迫を取り払い、どんな意見でも受け入れる大きな心を持つ
3.1ヵ月後のゴールを明確にする。
(1)1回目は、「ゴールを設定」する
(2)途中でゴールを変える場合は「ゴールを再設定」する
4.前回のTryの確認、Keep、Problem、Tryの順に進める
5.不要なTryが無いか確認し、不要なものは削除する
6.Keepはどんな内容でも絶対笑顔で褒め称える
7.Problemはどんな内容でも絶対否定しない
8.Keep、Problemの内容が目的から外れたものであれば、その旨指摘し、
その上で改めてKeep、Problemに挙げるかどうか確認する
9.Tryの出し方は難しいので、自分の社会人経験を存分に活かし、
後輩の相談に乗る。時には解決策を提案しても良い
10.(解決策を提示しても良いが)Tryは絶対後輩に選ばせる。押し付けてはいけない
11.Tryの内容がちょっとでも実現困難であれば、実践可能なレベルを下げる
(例)
先輩「本を毎日1冊読むとかできないかな?」
↓
後輩「毎日1冊読めません」
↓
先輩「では、本を毎日1ページ読むのは?」
↓
後輩「本を持っていません」
↓
先輩「明日中に関連書籍を探すのならできないかな?」
後輩「今週は多忙なので調べる時間がありません」
↓
先輩「では、今月中に関連書籍を探す、ならどうだろう」
↓ 後輩「それならできそうです」
12.後輩が自発的に書くまで、自分がホワイトボードにKPTを書く
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この1ヶ月で、僕は後輩に「自発的行動の実践ができる人材に育って欲しい」と願い、「プロジェクトファシリテーション実践編:ふりかえりガイド」を頼りに様々な視点でふりかえりを実施した。本当に濃密な1ヶ月であった。
彼もとても精力的にKeepとProblemを提案し、どんなTryを実践するか熱く話し合い、時間はいつも1時間~1時間30分掛かり、30分で終わることは稀だった。
「自発的行動の実践ができる人材」とは、具体的に「自発的に僕に代わってホワイトボードにKPTを書く」ことである(No.12がそれだ)。
暗にそのことを含めながらKPTを続けた所、2週間後に「自分が書きます」と言って自発的にKPTを書くようになってくれた。あの時の感動は未だに忘れられない。
一ヵ月後、KPTを終えた彼は20以上の改善を実行し、傍から見ても「ちょっとは成長したね」と言われる所まで成長した。
1年前、毎日先輩に叱られていた彼が、である。
それから1年。
その後3名の後輩にマンツーマンKPTを実践し、彼らを急成長させることに成功している。
それから1年。
その後3名の後輩にマンツーマンKPTを実践し、彼らを急成長させることに成功している。
■注意事項
KPTは人を急成長させるパワーを秘めたツールであることは間違いない。
しかし、使い方にはコツがあり、誰しも使いこなせる訳ではない。
先ずは「プロジェクトファシリテーション実践編:ふりかえりガイド」を熟読頂き、できる所から始めることが大切である。
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