2012年10月14日日曜日

「ふりかえり」再考

先日、某飲み会で、「KPTのやり方」について質問された。


某氏「良いTryが思いつかなくって……」
僕 「それは、Problemの原因を深堀してないからですよ」

どうも、「KPT」のフォーマットが流行って、肝心の「使い方」が広まっていないらしい。

ここに、日本で唯一のKPTの教科書があるので、知らない方はご一読いただきたい。


1つの事例として、僕がKPTを始めた時の話を書いてみる。




会社で自分のプロジェクトの品質と生産性の改善を目指し、様々な手法を学び導入した。
その中で、「コーチング」と「なぜなぜ分析」を学び、コミュニケーションと改善のポイントを知っていた。

ちなみに、コーチングの本は、下記がお勧め。

SEのためのコーチング技術


「KPT」を知った当初、自分の仕事に対するふりかえりに使ってみた。
その際、「なぜなぜ分析」の知識があったので、「Tryを出す際、Problemの原因を深堀しなければならない」という発想が自然と沸いて出たように思う。つまり、KPTを有効活用するためには、「なぜなぜ分析」の観点が必須なのだ。

その結果、自分にとっては最高の改善ツールになり、手放せなくなった。

*   *   *

KPTの使い方を理解した後、毎月開催していたプロジェクトの反省会にKPTを使う事にした。
従来、「コーチング」のスキルで、担当者と円滑なコミュニケーションを図りつつ、「なぜなぜ分析」で障害発生要因の分析だけを行ってきたが、KPTを使うことで、次の効果を得られるようになった。

  • 前回のふりかえりの内容を記録することができるようになった。
  • Keepを挙げることで、モチベーションアップに繋がった。
  • Tryの実施効果を明確に確認する様になった。

チームでふりかえりを実施する際、どうしても「コミュニケーション」の問題が発生してしまう。そのため、「コーチング」が必須となる。
以下、「プロジェクトファシリテーション実践編:ふりかえりガイド」より引用。


問題が挙がったら,その原因について考えていきます。問題には,何かしらの原因があります。そして,さらにはその原因を引き起こした原因があるのです。これは何層にもわたる階層構造になっていますので,十分と思うまでその階層をたどることができます。原因を追究していくと,いつの間にか責任の追及になってしまうことがあります。そのような状態にならないように,人と問題は切り分けるように注意が必要です.

我々人間は、より多くの獲物を獲得するため、他人の欠点を見つけやすくできているそうだ。だから、問題を起こした人を責めてしまうのである。これは、コーチングにも似たような内容が記載されている。

しかし、人を責めても問題は全く無くならない。
問題とは「その人が使っている手段が間違っている」ことが原因であり、改善とは「間違った手段を正しい方法に変える事」、つまり「人の行動を変える事」なのである。

人の行動を変える際、最も注意しなければならないのは、叱らない事である。
叱るというコミュニケーションは、「なにくそ!」と反骨精神でモチベーションをアップする場合もあるが、「やる気を無くす」というリスクがある。特に叱られる事に慣れていないと、「やる気を無くす」ことの方が多い。

特に、「あたりまえ」という言葉は注意が必要で、この言葉をきっかけに、怒りが爆発することが多い。自分が「あたりまえ」でも、相手が「あたりまえ」とは限らない。もし、「そんなこと、あたりまえでしょ!」と怒鳴りそうになったら、『相手は知らないかもしれない』と心を静め、冷静に話し合うのである。

先の書籍には、これらの内容が紹介されていて、「人と原因の分離」についても分かりやすく説明されている。もし、コミュニケーションの問題を感じられているのであれば、ご一読をお勧めする。

*  *  *

以上、総括すると下記となる。

  • KPTは、カイゼンのフレームワークとして最適
  • Try出しには「なぜなぜ分析」と「コーチング」を活用する


2 件のコメント:

  1. do you still have is01?

    I want one in Australia. :)

    Thanks Dan.

    heelerdog@gmail.com

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  2. Dear Dan.

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    Thanks Takepu.

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