2013年1月2日水曜日

Windows で eclipse ~CUTE実践編(1)~


続き。


Windows で eclipse ~CUTEインストール編~
Windows で eclipse ~CUTE入門編~
Windows で eclipse ~CUTE入門編 Part.2~

今回は、プロジェクトの作成方法を説明する。




■前置き

Google先生に「CppUnit」と尋ねると、様々なサイトでCppUnitの使用方法が紹介されている。

これらの多くのサイトでは、「実業務でCppUnitを取り入れて使用すること」を無視し、あくまでCppUnitの使用方法しか記載されていない。

というわけで、ここでは「実業務でCppUnitを使用する」ことを想定し、説明する。
”ややこしい”と思われるかもしれないが、逆に言うと”ややこしい”が故に多くのサイトでは端折っているものと思われる。



■作成するプロジェクト

3つ必要です。
  1. 製品プログラム本体 (共用ライブラリ)
  2. 製品プログラム実行 (実行可能)
  3. CUTE Library Test Project (実行可能)
製品プログラムとCUTEプログラムはそれぞれ main( ) 関数が必要です。このため、最低2つのプロジェクトが必要になります。

「プロジェクトを2つだけ作成」という事も可能だが、その場合下記構成となり、製品プログラムを2重管理することとなる。

 1. 製品プログラム実行
     └製品プログラム本体
 2. CUTE Project
     └製品プログラム本体


「だったら、”製品プログラム本体”を共通のフォルダに格納すれば1元管理可能」との考えもあるが、その場合、「製品プログラム本体」を2回ビルドしなければならない。プログラム本数が少なければコストはかからないが、多くなると結構時間が掛かる。

「実業務での使用」を想定し、ここは3つプロジェクトを作成する方向で話を進める。



■プロジェクトの作成

というわけで、早速プロジェクトの作成方法を紹介したい。

今回は、単純に四則演算を行うプログラムを開発することにする。

▼四則演算プログラム 仕様

  • プログラム名は「Calc.exe」とする。
  • 引数に、(1)数字、(2)演算記号、(3)数字の3つのパラメタを入力。演算結果を表示する。
    • パラメタが3以外の場合、「パラメタエラー」と表示。
  • (1)、(3)の数字は、半角10進数8桁とする。
    • 0~9以外の値は、「数字エラー」と表示。
    • 8桁を超える場合は「数字オーバー」と表示。
    • 最大表示桁数は8桁(-99999999~99999999)とし、それ以上の値は「オーバーフロー」と表示。
  • (2)の演算記号は、半角で(A)+、(B)-、(C)/、(D)* の4種とする。
    • +, -, /, * 以外は「演算記号エラー」と表示。
▼1.「製品プログラム本体(共用ライブラリ)」プロジェクトを作成する

1-1.画面右上の「パースペクティブ」アイコンをクリック。
1-2.「パースペクティブを開く」ダイヤログが表示されるので、「C/C++」を選択。


1-3.「ファイル」>「新規」>「C++プロジェクト」を選択。


1-4.下記の設定を行い、「完了」をクリック。
  ・プロジェクト名に「CalcLib」を入力
  ・プロジェクト・タイプより「共用ライブラリ」>「空のプロジェクト」を選択
  ・ツールチェーンより「MinGW GCC」を選択



1-5.プロジェクト・エクスプローラに「CalcLib」が追加されてる






▼2.「製品プログラム実行(実行可能)」プロジェクトを作成する


2-1.「ファイル」>「新規」>「C++プロジェクト」を選択。


2-2.下記の設定を行い、「完了」をクリック。
  ・プロジェクト名に「Calc」を入力
  ・プロジェクト・タイプより「実行可能」>「空のプロジェクト」を選択
  ・ツールチェーンより「MinGW GCC」を選択


2-3.プロジェクト・エクスプローラに「Calc」が追加されてる



▼3.「CUTE Library Test Project」プロジェクトを作成する

3-1.「ファイル」>「新規」>「C++プロジェクト」を選択。



3-2.下記の設定を行い、「次へ」をクリック。
  ・プロジェクト名に「CalcTest」を入力
  ・プロジェクト・タイプより「CUTE」>「CUTE Library Test Project」を選択
  ・ツールチェーンより「MinGW GCC」を選択



3-3.下記の設定を行い、「完了」をクリック。
  ・「CUTE Version」が「CUTE Header 1.7.0」である事を確認。
  ・「CalcLib」左側のチェックボックスをONにする。


3-4.プロジェクト・エクスプローラに「CalcTest」が追加されてる



3-5.CUTEに Boost のインクルードパスを設定する。
  • CUTE_TEST]右クリック > [プロパティ] > [C/C++ビルド] > [設定] > [GCC C++ Compiler] > [インクルード]を選択
  • [インクルードパス] に [Boost]のパスを追加する
  • [OK]をクリック





以上でプロジェクトの作成は完了。
次回、実際にコードを作成していく。

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