通常、「勇気」という言葉を聞くと、「死をも省みず挑戦する!」という印象を持つのではないだろうか。
ここで語られる「勇気」とは、メリット/デメリットを比較し、失敗した時のリスクを押さえた上で実行する事を意味する。単に蛮勇を奮って危険な場所へ飛び込むことではない。
しかし、メリット/デメリット/リスクを真剣に考え出すと、「勇気」を使うかどうか判断するのに時間がかかってしまう。仕事を行う上で、即座に決断を迫られる状況が多々ある。
そんな時のために、「勇気」を使うかどうか判断する一つの行動指針がある。それが、「シンプル」「フィードバック」「コミュニケーション」の3つの価値である。
チームメンバーが暗礁に乗り上げ、開発が進まなくなり、あなたは次の解決策を思いついたとする。
1.メンバー全員を入れ替え、ハイスキルメンバーで対応する
2.メンバーにご馳走して、やる気を回復してもらう
3.メンバーに、「出来るまで会社に泊り込んでもらう」と告げ、その通り実行する
これ以外にも、良い方法があるかもしれない。
ここでは、あなたは1分以内に回答を出さなければならないとする。上の3つ (または、あなたが独自に考えた方法) どれを選ぶかはお任せするが、どの方法が最適か1分間真剣に考えて頂きたい。
そして、選んだ判断基準が何であったか、考えて欲しい。どの方法を選択するにしても、「勇気」が必要だったのではないだろうか。そして、選択した基準の中に、下記の価値を見出したのではないだろうか。
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「シンプル」
複雑なものよりシンプルな方が簡単に問題を解決できる
「フィードバック」
実際に試した結果、良いものは再利用/悪いものは改善
「コミュニケーション」
ソフト開発は生物である「人間」が行う
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例えば、「開発が進まないなら効率を上げるため、専門家を導入する」といった解決策を決定した思考プロセスを考えてみると、下記のような判断があったのではないだろうか。
・過去に専門家を導入して成功した経験がある → フィードバック
・専門家1人を導入するだけなので、費用が屋安いし簡単 → シンプル
・ツールやパソコンなどではなく、専門家という人を雇うので安心 → コミュニケーション
「勇気」という価値は、「シンプル」「フィードバック」「コミュニケーション」の4つ価値を判断基準とすることで、強力な価値を手にすることができる。
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